伊藤伊兵衛(読み)いとういへえ

百科事典マイペディア 「伊藤伊兵衛」の意味・わかりやすい解説

伊藤伊兵衛【いとういへえ】

江戸時代の植木屋。江戸の北,染井村(現,豊島区駒込)で,数代にわたって園芸をいとなむ。一家造園花卉(かき)栽培についての見識技量にすぐれ,当時流行した園芸植物の種類を図説記載した多くの著作を残した。《錦繍枕》《花壇地錦抄》《草花絵前集》《増補地錦抄》《広益地錦抄》《地錦抄付録》等があり,その刊行は1695年(元禄8年)から1733年(享保18年)にわたるが,3代三之丞伊兵衛,4代伊兵衛政武の父子による。
→関連項目地錦抄

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「伊藤伊兵衛」の解説

伊藤伊兵衛(4代) いとう-いへえ

1676-1757 江戸時代前期-中期の園芸家。
延宝4年生まれ。江戸染井(そめい)村(東京都豊島区)の植木屋。造園と花卉(かき)栽培の技術にすぐれ,園芸植物の図譜を多数あらわし,染井の野夫と自称した。宝暦7年11月2日死去。82歳。名は政武。著作に「草花絵(くさばなえ)前集」「広益地錦抄(こうえきじきんしょう)」など。

伊藤伊兵衛(3代) いとう-いへえ

?-? 江戸時代前期の園芸家。
江戸染井(そめい)村(東京都豊島区)で植木屋をいとなむ。元禄(げんろく)5年(1692)日本最初の園芸植物の図説書「錦繍枕(きんしゅうまくら)」を松会(まつえ)三四郎の店から刊行した。別名に三之丞。著作はほかに「花壇地錦抄」。

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世界大百科事典(旧版)内の伊藤伊兵衛の言及

【園芸】より

…果樹,野菜,観賞用植物などを資本と労力をかけて集約的に栽培することで,対象とする作物の種類によって,果樹園芸,野菜園芸,花卉(かき)園芸に分類される。また,生産物の販売を目的とする園芸を生産園芸,趣味として行う園芸を趣味園芸,または家庭園芸という。園芸という言葉は英語のhorticultureの訳語で,日本では1873年に出版された英和辞書で用いられたのが初めである。horticultureとはラテン語のhortus(囲うこと,または囲まれた土地の意)とcultura(栽培の意)に由来し,17世紀以降使われるようになった言葉である。…

※「伊藤伊兵衛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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