伏見屋四郎兵衛(読み)ふしみやしろべえ

改訂新版 世界大百科事典 「伏見屋四郎兵衛」の意味・わかりやすい解説

伏見屋四郎兵衛 (ふしみやしろべえ)

江戸中期の江戸町人。生没年不詳。親も材木商であったが,四郎兵衛の代に江戸屈指の豪商にのし上がり,佐久間町に住んだ。1695年(元禄8)に1500両の運上を条件に,銀1000貫目分の銅と唐蘭船の定高の余り荷物とを交換することが許され(銅代物の初め),翌年には運上金1万両の条件で銀5000貫目分の取引をした。しかしその翌年から代物替(しろものがえ)は長崎町年寄の手に移り,1710年(宝永7)別子で御用木を請け負っているが,ほどなく没落し,餓死したという。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伏見屋四郎兵衛」の意味・わかりやすい解説

伏見屋四郎兵衛
ふしみやしろべえ

江戸時代中期,江戸の商人。貞享2 (1685) 年幕府は金銀の海外流出の制限をはかった定高 (じょうだか) 貿易法を制定したが,このため貿易船でさばききれない残荷が多くなった。これに目をつけた伏見屋は元禄8 (95) 年幕府に運上金 1500両を納めることと引換えに,銅を支払手段とする代物替 (だいもつがえ) 貿易の許可を得た。この代物替貿易によって,貿易量はふえ,長崎貿易性格を一変させた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「伏見屋四郎兵衛」の解説

伏見屋四郎兵衛 ふしみや-しろべえ

?-? 江戸時代前期-中期の商人。
江戸の材木商伏見屋の子。元禄8年(1695)長崎貿易で銀高千貫目分の銅代物替(しろものがえ)(銅と交換する貿易)の許可を得,巨利をあげる。この特権は2年後に長崎町年寄にうつったため,四郎兵衛は没落し,餓死したという。

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