日本歴史地名大系 「伝石山寺世尊院跡」の解説
伝石山寺世尊院跡
でんいしやまでらせそんいんあと
石山寺の付属寺院の跡。承保二年(一〇七五)には存在していたとされ(石山寺伝記)、勅使の代参や貴族の参詣時の休憩所として利用されていた。しかし当初の建立位置は明確でなく、永和期(一三七五―七九)以降東大門の西約一二〇メートルの地点に移されたという。明治一〇年(一八七七)火災にあい、廃寺となる。昭和五四年(一九七九)の発掘調査で平安時代から明治期に至る四時期の遺構・遺物が確認された。上層から順に(一)明治期の礎石建物と雨落溝、(二)江戸期の礎石建物、(三)室町期末から江戸初頭にかけての東西に長い五間×三間の母屋をもつ礎石建物、(四)遺構は未確認ながら最下層から平安時代の灰釉陶器・土師器片などの遺物が出土している。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報