日本大百科全書(ニッポニカ) 「伴義雄」の意味・わかりやすい解説
伴義雄
ばんよしお
(1921―1994)
薬学者。東京に生まれる。東京帝国大学卒業。菅沢重彦の指導を受け、トコン(吐根)のアルカロイド、エメチンの合成研究で薬学博士となる。北海道大学助教授を経て、1957年(昭和32)同大学教授。この間、主としてインドールアルカロイドの合成研究に従事。構造が複雑で合成困難な多数の本系アルカロイドを合成したばかりでなく、新規反応の開発、絶体配位の決定により生合成分野の発展にも寄与した。この研究により1984年日本学士院賞を受けた。さらに有機金属錯体、電極反応を利用した新合成法を開発し、各種のアルカロイド、微生物二次代謝物質などの合成を行った。日本学術会議会員、日本薬学会会頭を歴任した。
[根本曽代子]