菅沢重彦(読み)すがさわしげひこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「菅沢重彦」の意味・わかりやすい解説

菅沢重彦
すがさわしげひこ
(1898―1991)

薬学者。薬学博士。大阪府堺(さかい)市出身。東京帝国大学薬学科卒業(1922)。慶松勝左衛門(けいまつしょうざえもん)に師事して、グルタミン酸オルニチンリジンなどアミノ酸類の新合成法を開発した。1929年(昭和4)オックスフォード大学に留学、R・ロビンソン教授の下でモルフィンおよび関連化合物の合成研究に従事。1932年帰国し、東大薬品製造学講座助教授を経て、1937年教授。1943年「ヂベンツォキノリチンおよびヂベンツォインドリチン誘導体の合成研究」により帝国学士院賞を受賞。1945年抗肺炎剤サルファメラジンの新製法を開発、抗ヒスタミン剤の改良合成、新気管支拡張剤の合成、難溶性止血剤の可溶化など製薬指導面に新生面を開いた。日本薬学会会頭、日本学士院会員を歴任著書に『化学実験学』(1942)がある。

[根本曽代子]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「菅沢重彦」の解説

菅沢重彦 すがさわ-しげひこ

1898-1991 昭和時代の薬学者。
明治31年4月2日生まれ。イギリスに留学し,R.ロビンソンのもとで研究。昭和12年東京帝大教授。日本薬学会会頭をつとめた。有機化学を研究し,新抗肺炎剤・抗ヒスタミン剤などの開発につくす。18年学士院賞。平成3年3月1日死去。92歳。大阪出身。東京帝大卒。著作に「化学実験学」。

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