吐根(読み)トコン(英語表記)ipecac

翻訳|ipecac

デジタル大辞泉 「吐根」の意味・読み・例文・類語

と‐こん【吐根】

アカネ科の常緑低木。高さ約80センチ。葉は楕円形で対生し、筒状の白い小花が密に集まって咲く。根を乾燥したものを吐剤とし、またアメーバ赤痢特効薬とする。ブラジル原産で、東南アジア栽培

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精選版 日本国語大辞典 「吐根」の意味・読み・例文・類語

と‐こん【吐根】

〘名〙 アカネ科の常緑小低木。ブラジル原産で、インド、ミャンマーなどで栽培されている。高さ約四〇センチメートル。根は地中をはってじゅず状の太い側根を出す。茎は四稜があり短毛を生じる。葉は革質、楕円形または卵形で対生する。花は白色で小さく先が五裂した筒状花で大形の総苞の上に密集して咲く。花後、エンドウ大の果実を結び、初め紅色だが熟すと紫色になる。根を吐根といい催吐・袪痰またはアメーバ赤痢の特効薬に用いる。〔泰西方鑑(1829‐34)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吐根」の意味・わかりやすい解説

吐根
とこん
ipecac

生薬の一つ。ブラジル原産のアカネ科の木本状草本植物トコン Cephaelis ipecacuanhaの肥大した根を乾燥させたもの。エメチン,プシコトリン,セフェリン,エメタミンなど,いわゆるトコンアルカロイドを含む。エメチンに富むものは良質とされる。去痰薬,催吐薬,ドーフル散,シロップ,チンキなどの原料とする。ほかにカルタゲナトコン C.acuminata (コロンビア原産) ,コクショクトコン C.emeticaなどの根も吐根として薬用にされる。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「吐根」の解説

吐根 (トコン)

学名Cephaelis ipecacuanha
植物。アカネ科の多年草,薬用植物

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