精選版 日本国語大辞典 「似紫」の意味・読み・例文・類語 にせ‐むらさき【似紫】 〘 名詞 〙① 江戸時代に流行した紫染めの一つ。蘇芳(すおう)に明礬(みょうばん)を混ぜて染める。[初出の実例]「おかしげに似(ニ)せ紫(ムラサキ)のしつこくさまざまの染入」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)六)② ( 「紫のゆかり」にかけ、また「にせ」を「二世」にかけて ) 二世をかけたえにし。夫婦の縁。[初出の実例]「うつろふはにせ紫(ムラサキ)か杜若(かきつばた)〈之以〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
色名がわかる辞典 「似紫」の解説 にせむらさき【似紫】 色名の一つ。マメ科スオウ、アカネ科アカネなどを用いて染めた紫のこと。やや、くすんでいる。ムラサキ科ムラサキソウの根である紫根しこんで染色した紫は高価であったため、江戸時代の庶民が用いたとされる。これに対し、紫根で染めた紫を「本紫」というようになった。 出典 講談社色名がわかる辞典について 情報