低温工学(読み)テイオンコウガク(その他表記)cryogenic engineering

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精選版 日本国語大辞典 「低温工学」の意味・読み・例文・類語

ていおん‐こうがくテイヲン‥【低温工学】

  1. 〘 名詞 〙 摂氏零下一五〇度程度から零下二七三度(絶対零度)における物質の独特の性質や動きを応用しようとする工学分野。気体の液化や超伝道・超流動などの現象を扱う極低温工学をいうことが多い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「低温工学」の意味・わかりやすい解説

低温工学
ていおんこうがく
cryogenic engineering

低温の生成とその応用を対象とする工学分野。ここでいう低温とは液体空気沸点 (約-180℃) 以下をさす。初め物理化学的研究手段として開発されたが,液体水素液体ヘリウムなどが半工業的に生産できるようになり,以来急速に工学として進展した。絶対温度で数度 (液体ヘリウムで約 4.0K=-269℃) の極低温では,超伝導超流動などの異状物性が現れるので,その応用を開拓し,また未知領域を研究するのが低温工学である。ロケットの液化気体燃料 (液体水素など) および液体酸化剤 (液体酸素,液体フッ素など) の利用,宇宙通信用結晶メーザーの極低温維持 (液体ヘリウム) ,超伝導を利用する超強磁界電磁石の製造 (液体ヘリウム) などがあり,未開拓分野への期待も大きい。

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