佐書(読み)さしょ

精選版 日本国語大辞典 「佐書」の意味・読み・例文・類語

さ‐しょ【佐書】

  1. 〘 名詞 〙 漢字書体一つ隷書(れいしょ)。秦代、文字を書くのを佐(たす)けた隷人が、正字である小篆(しょうてん)をはやく書くためにつくったもの。左書。〔衛恒‐四体書勢・隷書〕

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普及版 字通 「佐書」の読み・字形・画数・意味

【佐書】さしよ

隷書。筆録用の字体。〔晋書、衛恒伝〕秦に篆(てん)を用ふ。奏事多にして、篆字し。ち隷人(れいじん)をして書を佐けしめ、隷字と曰ふ。

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世界大百科事典(旧版)内の佐書の言及

【書体】より


[書体分類の沿革]
 (1)漢魏六朝 書体の分類が中国で最初に試みられるのは後漢時代で,80年ころ成立の《漢書》芸文志で,古文,奇字,篆書,隷書,繆篆(びゆうてん),虫書の六体をあげる。次に,100年ころの成立とされる許慎《説文解字》叙には,秦の八体として,大篆,小篆,刻符,虫書,摹印(ぼいん),署書,殳(しゆ)書,隷書をあげ,新(しん)の六書として,古文,奇字,篆書,佐書,繆篆,鳥虫書をあげている。およそ書体を分類することは,それを試みる時点にみられる文字資料を形態,新旧,記録素材,用途等によって分類したもので,その分け方の基準や呼称もこのころはまだ統一されていない。…

※「佐書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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