正字(読み)セイジ

デジタル大辞泉 「正字」の意味・読み・例文・類語

せい‐じ【正字】

正しい書き方をした漢字誤字当て字に対していう。
略字俗字などに対して、正式の字。また、当用漢字常用漢字新字体に対して、そのもとの字。「円」に対する「圓」、「当」に対する「當」の類。
中国で、書物文字校正をつかさどった官。

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精選版 日本国語大辞典 「正字」の意味・読み・例文・類語

せい‐じ【正字】

  1. 〘 名詞 〙
  2. まちがいでない正しい字。また、正しい表記。
    1. [初出の実例]「内印外印、鋳る可き寸法、古文正字定め了りぬ」(出典:将門記(940頃か))
    2. 「是即吾国の正字なり。其外和字、俗語歌書等にもまま有之」(出典:箚録(1706))
  3. 俗字に対し、点画を略したり変えたりしない、字源による正統と認められる漢字の字体。「円」に対する「圓」、「氷」に対する「冰」の類。〔漢書‐芸文志〕
  4. 最初からそこに書いてあった字。
    1. [初出の実例]「洗へば正字は去りやらず、入筆ばかりは治定(ぢぢゃう)」(出典:歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)五立)
  5. 活字で、常用漢字表の新字体に対して、康熙字典などをよりどころとする旧字体。〔造本と印刷(1948)〕
  6. 昔、中国で、書籍の文字の校正をつかさどった官。〔新唐書‐百官志〕

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