佐藤三右衛門(読み)さとう・さんえもん

朝日日本歴史人物事典 「佐藤三右衛門」の解説

佐藤三右衛門

没年:元禄9(1696)
生年:寛永6(1629)
江戸初期の製鉄職人(荒鉄吹方)。播州(兵庫県)赤穂流の製塩技法を仙台藩波路上(気仙沼市)に導入した。陸前(宮城県)本吉郡馬籠村の生まれ。天和3(1683)年2月帯刀御免で仙台を出発した三右衛門ほか2名は,中国流荒鉄吹方の見分を兼ね,下総から伊勢を視察し,5月末まで赤穂に逗留した。ここで入浜塩田と製塩石釜の築調法を学び,2名の熟練者を伴って帰国,波路上塩田干拓に着手した。翌4年には実弟五郎七らを赤穂に派遣し,さらに2名を雇い工事指導に当たらせた。元禄3(1690)年には6町7反歩の波路上塩田を完成させた。これによってそれまでの海水直煮法の3倍の成果があったという。<参考文献>廣山堯道『赤穂塩業史』

(廣山堯道)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐藤三右衛門」の解説

佐藤三右衛門 さとう-さんえもん

1629-1696 江戸時代前期の塩田開発者。
寛永6年生まれ。陸奥(むつ)本吉郡(宮城県)の人。天和(てんな)3年製鉄法の見学のため播磨(はりま)(兵庫県)赤穂(あこう)にでかけた際,播州流の製塩法をまなぶ。帰郷後,仙台藩領波路上(はじかみ)(気仙沼市)塩田の開発をはじめ,元禄(げんろく)のころ約6haの塩田を完成。高品質で効率のよい製塩がおこなわれた。元禄9年死去。68歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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