佐野王子跡(読み)さのおうじあと

日本歴史地名大系 「佐野王子跡」の解説

佐野王子跡
さのおうじあと

[現在地名]新宮市佐野三丁目

佐野の南方熊野新宮への往還筋にある。熊野九十九王子の一。県指定史跡。若一にやくいち王子とも称し、神域一帯は若一王子の森とよばれていた。王子跡の南、佐野の松原の外れに熊野詣の祓所として有名な王子川(祓川)があり、熊野灘に注ぐ。「中右記」天仁二年(一一〇九)一〇月二七日条には「超左野山」とあり、王子名はみえないが、「後鳥羽院熊野御幸記」建仁元年(一二〇一)一〇月一九日条に新宮から那智への道に「王子数多御座」とあり、鎌倉時代前期を下らない頃創祀されたと考えられる。文明五年(一四七三)の「九十九王子記」は、新宮―那智間の五王子のうちに「佐野々王子」を記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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