保高町村(読み)ほたかまちむら

日本歴史地名大系 「保高町村」の解説

保高町村
ほたかまちむら

[現在地名]穂高町大字穂高 保高町

からす川扇状地の末端に位置し、糸魚川いといがわ道に沿った宿場町。初見は文禄年代(一五九二―九六)に成立した筑摩安曇両郡郷村御朱印御高附である。近世初頭に保高村から分村。宿の出入口に鍵の手(枡形)がある。

明応一〇年(一五〇一)の三宮穂高社御造宮定日記(穂高神社蔵)末尾文面にみえる「千国大道」は、当時穂高神社の外の鳥居のある字「東田の畔ひがしだのあぜ」から保高宿の東裏手を通っていたので、おそらく保高宿はこの頃はまだ成立しておらず、武田氏の支配時代である永禄―天正年代(一五五八―九二)につくられたものであろう。当時宿の大きさは江戸時代の半分であり、宿の中央、保高町村分だけで終わり、西に折れて枡形をつくっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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