倭文布(読み)しつぬの

関連語 名詞 倭文

日本大百科全書(ニッポニカ) 「倭文布」の意味・わかりやすい解説

倭文布
しずり

文献によると、中国大陸から錦(にしき)の技法が導入されるまで、広く使われたわが国の在来織物。『万葉集』『日本書紀』などによると、帯、手環(たまき)いわゆる現在のブレスレット鞍覆(くらおおい)など、装飾的な部分に使われている。生産は物部(もののべ)氏のもとにある倭文部(しずりべ)であり、各地の倭文神社はその分布を伝える。正倉院に宝蔵の雑彩の帯がそれにあたるとするが、確定的ではない。『延喜主計式(えんぎしゅけいしき)』によると、その生産地は駿河(するが)国と常陸(ひたち)国で、合計してわずか62端(長さ4丈2尺、幅2尺4寸、天平(てんぴょう)尺による)しか献納されておらず、用途は自然神(風・火など)の奉献物に使われている。

[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む