倭漢荒田井比羅夫(読み)やまとのあやのあらたいのひらふ

朝日日本歴史人物事典 「倭漢荒田井比羅夫」の解説

倭漢荒田井比羅夫

生年生没年不詳
7世紀半ば,都城建設に従事した官僚。『日本書紀』の記事には堀河の開削に失敗したことが記され,技術者でもあったことがうかがわれる。大化3(647)年に,将作大匠として堺を標したという難波長柄豊碕宮の建物は,掘立柱に檜皮葺の日本の伝統的な様式であった。将作大匠は,唐の官制のなかで建設に関わる将作監にならい,宮城寺院の造営事業をつかさどっていた。倭漢応神天皇の時代に渡来したといわれ,同じ倭漢氏の 書県 は,舒明11(639)年の百済大宮・大寺造営を担当していた。<参考文献>永井規男「歴史のなかの建築生産システム」(『新建築学体系』44巻),沢村仁「日本古代の都城の成立と造営組織」(『日本建築特質』)

(高橋康夫・冨島義幸)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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