催乳剤(読み)サイニュウザイ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

催乳剤
さいにゅうざい

乳汁の分泌を促進する薬剤。ビタミンLとプロラクチンがある。ビタミンLはシロネズミの乳汁分泌に必要な因子として、酵母や肝臓から発見され、アントラニル酸とアデニルチオメチルペントースからなることが解明されたが、独立したビタミンであるかどうか不明で、医薬品としては使用されていない。プロラクチンは催乳ホルモンあるいは乳腺(にゅうせん)刺激ホルモン、黄体刺激ホルモンともいわれる。脳下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンの一つで、分子量2万3400のタンパク質である。乳腺細胞に作用して乳汁分泌を促進させ、また、黄体維持作用、排卵抑制作用を有する。以前は医薬品(注射剤)として市販されていた。
 漢方では葛根湯(かっこんとう)や蒲公英(ほこうえい)湯、露蜂房(ろほうぼう)(スズメバチの巣)と地黄(じおう)の黒焼きを1回5グラム内服、白(はっきょうざん)(白病で倒れたカイコで、俗称おし切りという)の粉末を1回3グラム、1日2、3回服用する。民間薬としてはハコベやハスの葉、鯉(こい)こく、ミカンの葉、カラスウリの根を分娩(ぶんべん)後なるべく早く1~2週間以内に服用するとよいといわれている。[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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