葛根湯(読み)かっこんとう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

葛根湯
かっこんとう

漢方方剤の一つ。葛根麻黄桂枝,生姜,甘草,芍薬,大棗の7種の生薬から成る。解熱鎮痛消炎などの作用がある。張仲景編著傷寒論』にも載っている処方で,落語にも扱われるほど一般にはよく知られた漢方方剤である。

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百科事典マイペディアの解説

葛根湯【かっこんとう】

漢方処方で古くから風邪その他諸種の症状に用いられる。根,麻黄,大棗(たいそう),生姜(しょうきょう),芍薬(しゃくやく),桂皮(けいひ),甘草を混じて煎剤(せんざい)にする。発熱,悪寒(おかん)があって汗なく,後頭部〜背中がこり,さらに頭痛,関節痛があり,尿が少ないなどの症状に用いる。桂皮,麻黄は血管を拡張し血行をんにして発汗させる力が強く,葛根は後頭部〜背中の緊張をなおす効力がある。初期に用いることが大切で胃腸の弱いものは時に吐き気,食欲不振をきたすことがある。
→関連項目風邪薬カンゾウ(甘草)漢方薬クズ(葛)桂皮

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世界大百科事典 第2版の解説

かっこんとう【葛根湯】

漢方医学の原典として尊重される《傷寒論》に収載されている漢方方剤の一つ。葛根,麻黄,桂枝,生姜(しようきよう),甘草,芍薬(しやくやく),大棗(たいそう)の7種の生薬からなる処方である。その配合は,第9改正日本薬局方では4g,3g,1g,3g,2g,2g,2gを1包とし,1日1包を服用するのが常用量とされていた。この処方は,風邪の初期によく用いられる桂枝湯を基本として,これに葛根と麻黄が加えられたものと解釈されている。

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大辞林 第三版の解説

かっこんとう【葛根湯】

漢方薬の一。葛根を主材料にし、麻黄・桂枝・生姜しようきよう・甘草かんぞう・芍薬しやくやく・大棗たいそうを煎せんじた薬。風邪などの際に発汗薬とし、また止瀉ししや薬として用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

葛根湯
かっこんとう

代表的な漢方処方の一つ。中国の後漢(ごかん)のころ(2世紀後半)、長沙(ちょうさ)(湖北省)の医師であった張仲景によってまとめられたといわれる『傷寒論(しょうかんろん)』に収載され、古来から繁用されてきた。処方構成は次のとおりである(括弧(かっこ)内は基源となる植物)。葛根(カッコン)8グラム、麻黄(まおう)(マオウ)・大棗(たいそう)(ナツメ)・生薑(しょうきょう)(ショウガ)各4グラム、桂枝(けいし)(ニッケイ)・芍薬(しゃくやく)(シャクヤク)各3グラム、甘草(かんぞう)(カンゾウ)2グラムを基本とし、症状により薬量を増減したり、他の薬物を加味する。煎剤(せんざい)として用い、煎じるときは、葛根と麻黄を先に煎じてから他の薬物を加え煎じるのが正法であるが、今日では同時に煎じることが多い。『傷寒論』のなかの太陽病中篇(へん)には、「首筋から背中にかけての筋肉が堅くこわばり、汗が出ずに寒気がする者には葛根湯を与えると治る」と書かれている。このような症状はインフルエンザをはじめとする急性熱性伝染病の初期に現れることが多いために、本処方は一般にはかぜ薬として名高い。しかし、葛根湯は応用範囲のきわめて広い処方で、目、鼻、耳、口内、および咽頭(いんとう)などの炎症のほか、肩こり、神経痛、夜尿症、高血圧、下痢、皮膚病、化膿(かのう)性炎症の初期などに用いられる。難病では、とくに蓄膿症に用いられることが多く、通常、辛夷(しんい)(モクレン)、川(せんきゅう)(センキュウ)、石膏(せっこう)などが加味される。[難波恒雄・御影雅幸]

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精選版 日本国語大辞典の解説

かっこん‐とう ‥タウ【葛根湯】

〘名〙 風邪薬として知られる代表的な漢方薬。葛根、麻黄、生姜(しょうが)などからなる。〔全九集(1566頃)〕
洒落本・風俗八色談(1756)一「風や麻疹のたぐひが流行(はやる)と。敗毒散。正気散升麻葛根湯(カッコントウ)を一度に合せ置て」 〔本草綱目‐草部・葛・発明〕

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