ビタミンL(読み)ビタミンエル

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精選版 日本国語大辞典 「ビタミンL」の意味・読み・例文・類語

ビタミン‐エル【ビタミンL】

  1. 〘 名詞 〙 水溶性ビタミン一つウシの肝臓と酵母に多く含まれる。ネズミの催乳因子。L1とL2とがあり、L2無色結晶

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化学辞典 第2版 「ビタミンL」の解説

ビタミンL
ビタミンエル
vitamin L

1933年,中原和郎らは白ネズミの催乳因子として,酵母,肝臓中に存在するビタミン L1,L2 の必要性を認め,そののち(1945年)の研究により,アントラニル酸にビタミン L1 の作用のあること,およびビタミン L2 が5′-メチルチオアデノシンC11H15N5O3S(297.34)であることを認めた.天然のビタミン L1 はまだ単離されていない.ビタミン L2 は無色の柱状結晶.融点208 ℃(分解).冷水に難溶,温水,酸,アルカリに易溶,エタノール,エーテルに不溶.リンタングステン酸塩で沈殿する.生理作用としては授乳ネズミの下垂体を肥大し,プロラクチンの産生を促進して乳汁分泌を促す.ビタミン L1 と L2 は同時に必要であるため,協同して作用すると考えられたが,その作用は弱く,現在ではあまり顧みられていない.[CAS 86510-99-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビタミンL」の意味・わかりやすい解説

ビタミンL
ビタミンエル
vitamin L

ο-アミノ安息香酸還元によって得られる無色鱗片状結晶。融点 144~146℃,生体内ではキヌレニンから酵素によりつくられ,哺乳動物では催乳作用が認められる。重金属イオンと不溶性のキレート化合物をつくるので,Zn,Cd,Co,Ni,Cu,Hg,Pbなどの定性,定量分析試薬として利用される。

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