岩石学辞典 「傾向面解析」の解説
傾向面解析
で与えられる.岩石関係では,(1) 単一の稼行岩体内の化学組成,鉱物組成の鉱物の変化[鈴木 : 1962, Whitten : 1959, 1963],(2) 橄欖(かんらん)岩の中の比重と蛇紋岩化の程度の変化,(3) 閃緑岩内の粒度変化,(4) 超塩基性深成岩体中の輝石のEn量の変化,(5) 花崗閃緑岩内の斜長石/カリ長石の比率とghost stratigraphyの関係,(6) 堆積岩の性質の変化[Allen & Krumbein : 1962],などの研究が行われた.この方法には,(1) 野外での採集方法が問題で,各測定値のウエイトが同等でないと離れた地点での測定値が大きく結果に影響する.(2) 岩体など地域的に限定されている場合に,計算上ではその地域外の地点の値が得られるので,対象となる母集団をどのように考えるか不明.(3) 多項式の次数が高くなるにつれて計算に必要な観測値の数が急速に増加するので,十分な数の標本が得られないと高次の多項式の計算は意味がなくなる.などの諸問題があり未解決である.