日本歴史地名大系 「僧ヶ岳」の解説 僧ヶ岳そうがだけ 富山県:総論立山連峰僧ヶ岳魚津市・黒部市・宇奈月(うなづき)町にまたがり、立山連峰の北端にそびえる。標高一八五五・四メートル。変成岩類で構成され、高山植物が豊富。頂上北下のキャラボクなどの生垣状風衝矮小低木群落は特色ある景観を呈する。古くは仏(ほとけ)ヶ嶽と称した。天正八年(一五八〇)に魚津千光(せんこう)寺の僧勝道が記した小川山千光寺記(遺編類纂所収千光寺文書)に「大威徳明王ハ当山仏嶽安置」とある。真言宗千光寺の奥院とされ、「宝永誌」にも仏ヶ嶽として「黒谷村・山女(あけび)村入合山之内、仏ケ嶽と申所に大威徳明王之かな仏一躰御座候」と記される。伝承によれば、経田(きようでん)ノ浜(現魚津市)で漁網にかかった観音像を小川寺(おがわじ)(現魚津市)に祀り、大威徳明王像は山頂に祀ったといい、頂上の尊像も秋には山麓に下ろし春にまた山頂に遷座する例であったという。山上の祠はのち廃絶し、明王像は千光寺心蓮(しんれん)坊に安置されたが、平成二年(一九九〇)七月二九日の山開きには黒部探勝会の手で山上に運び上げられ、翌年も同様に行われた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by