僧物(読み)ソウモツ

精選版 日本国語大辞典 「僧物」の意味・読み・例文・類語

そう‐もつ【僧物】

  1. 〘 名詞 〙 仏語出家集団である僧伽(そうぎゃ)に所属する一切の物資をいう。衆僧に等しく所有権を認められている。建物地所などの四方僧物と、法衣・鉢・錫杖(しゃくじょう)や死亡した僧の所有物などの現前僧物の二種がある。僧伽物(そうぎゃもつ)僧祇物
    1. [初出の実例]「部内人民不因果、檀越子孫不罪業、統領僧物、専養妻子」(出典家伝(760頃)下)
    2. 「又寺道場に要脚を懸け、僧物施料を貪る事を業とす」(出典:太平記(14C後)三五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の僧物の言及

【資財帳】より

…伽藍とは建物,縁起とは創立の由緒のことをいう。道具類はその使用目的によって,仏物(仏分ともいい,仏菩薩の供養に用いられるもの),法物(法分ともいい,箱,机,櫃など仏典保持,供養に使用されるもの),僧物(僧侶が生活するために用いたもの),通物(通分ともいうが,仏・法・僧3者共通して使用するもの)に大別して記載されている。もともと資財帳は奈良時代,国家によって仏教が保護されていたとき,諸寺に対して年々提出させていたもので,寺院の財産が悪僧によって消費されるのを防ぐためであった。…

※「僧物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む