儲君(読み)チョクン

デジタル大辞泉 「儲君」の意味・読み・例文・類語

ちょ‐くん【×儲君】

皇太子東宮とうぐう儲王。もうけのきみ。
貴族世継ぎの子。

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精選版 日本国語大辞典 「儲君」の意味・読み・例文・類語

ちょ‐くん【儲君】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 太子の異称。儲王。もうけのきみ。
    1. [初出の実例]「伏聞。儲君殿下。去月廿三日。正太子之尊」(出典朝野群載‐一・天暦四年(950)八月一日・延暦寺奉賀儲君始立啓)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐鄭衆伝〕
  3. 皇太子にする予定の皇子に宣下された称号。のちに立太子の儀があって初めて皇太子となる。霊元天皇が朝仁親王(のちの東山天皇)に宣下したのが最初
    1. [初出の実例]「況や太子なき時は国の根本かるい故に、儲君と云て格別に立て」(出典:雑話筆記(1719‐61)上)
  4. 貴族の世継の子。
    1. [初出の実例]「三年正月、叙正四位下、於是儲君始加元服」(出典:家伝(760頃)下)

まけ‐の‐きみ【儲君】

  1. 〘 連語 〙もうけ(儲)の君

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世界大百科事典(旧版)内の儲君の言及

【皇位継承】より

…しかし爾後の実例に徴すると,皇嗣の選定は,嫡系男子の優位を認めながらも,天皇(あるいは上皇)の勅定するところであり,明治の皇室典範制定以前は,立太子の詔において初めて皇嗣を冊定するのを本則とした。ただ立太子の儀はときに省略された例も少なくなく,ことに室町時代から江戸初期にかけて中絶したが,霊元天皇がこれを再興するに当たり,立太子に先立ち朝仁親王(東山天皇)を儲君(ちよくん)に治定したのが例となって,明治の嘉仁親王(大正天皇)の立太子に至るまで,儲君治定が実質的な皇嗣冊立を意味した。
[皇位継承の資格]
 皇位継承者は,いうまでもなく皇親に限られる。…

【皇太子】より

…天皇の位を継ぐべき皇子。たんに太子ともいい,〈ひつぎのみこ〉〈もうけのきみ〉,東宮,春宮,儲君(ちよくん)ともいう。皇太子は,天皇在位中に,皇子,皇孫,皇兄弟またはその他の皇親のうちから定められ,立太子の儀が行われるのが恒例である。…

【東山天皇】より

…霊元天皇の第4皇子。1682年(天和2)父天皇の強い希望により儲君(ちよくん)に治定,翌年皇太子となり,ついで87年(貞享4)践祚した。立太子の儀は300余年間の中絶を復活したものであり,儲君治定は立太子以前に皇嗣の身分を確定しておく必要から始められた新儀である。…

※「儲君」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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