朝日日本歴史人物事典 「元杲」の解説
元杲
生年:延喜14(914)
平安中期の真言宗の僧,権大僧都,東寺二長者。父は藤原晨省,母は榎井氏。16歳のとき醍醐寺の元方を師として得度受戒し,南都で一定,明珍 に三論,真言,石山寺の淳祐に真言を学んで,康保1(964)年伝法阿闍梨となる。安和1(968)年内供,東宮(円融天皇)の護持僧,天禄3(972)年東寺凡僧別当となる。旱魃のときに神泉苑で請雨経法を修して法験があり,人々を驚嘆させた。永延2(988)年辞して醍醐山に籠居して延命院と号し,法華経を転読,念仏して82歳で没した。弟子に仁海,覚縁がいる。<著作>『元杲大僧都自伝』<参考文献>『東寺長者補任』
(西口順子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報