コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

 ヤ

14件 の用語解説(やの意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

や[五十音]

五十音図ヤ行の第1音。硬口蓋と前舌との間を狭めて発する半母音[j]と母音[a]とから成る音節。[ja]
平仮名「や」は「也」の草体から。片仮名「ヤ」は「也」の草体を楷書化したもの。
[補説]「や」は、また、「きゃ」「しゃ」「ちゃ」などの拗音の音節を表すのに、「き」「し」「ち」などの仮名とともに用いられる。現代仮名遣いでは、拗音の「や」は、なるべく小書きすることになっている。

や[感]

[感]
驚いたときや不意に気づいたときに発する語。「、火事だ」
突然または偶然に出会った人に呼びかけるときに発する語。「、しばらく」
力をこめたり気合いをかけたりするときに発する語。また、音曲などの囃子詞(はやしことば)。やっ。
呼びかけに答える語。はい。
「『して太刀は』『―、ござらぬな』」〈虎明狂・真奪〉

や[助動]

[助動]《敬語の助動詞「やる」の命令形「やれ」の音変化》…なさいな。
「早う寝」〈浄・曽根崎

や[接助・副助・終助・間助・並助・係助]

[接助]動詞・動詞型活用語の終止形に付く。ある動作・作用が行われると同時に、他の動作・作用が行われる意を表す。…とすぐに。…すると。「わたしの顔を見る逃げ出した」
[副助]名詞、名詞に準じる語に付く。「やもしれない」などの形で、軽い疑問の意を表す。…か。「午後から雨が降るもしれない」
[終助]活用語の終止形・命令形に付く。
同輩・目下の者などに対して軽く促す意を表す。「そろそろ出かけよう」「もう帰れ
軽く言い放すような気持ちを表す。「もう、どうでもいい
疑問や反語の意を表す。…(だろう)か。…だろうか(いや、そうではない)。「この結末はどうなりましょう」「どうして私に言えましょう
[間助]名詞、名詞に準じる語、副詞に付く。
呼びかけを表す。「花子、ちょっとおいで」
「我妹子(わぎもこ)―我(あ)を忘らすな石上(いそのかみ)袖布留川(そでふるかわ)の絶えむと思へや」〈・三〇一三〉
強意を表す。「今経済危機を迎えようとしている」「またも地震が起こった」
詠嘆・感動の意を表す。
「いで、あな幼な―」〈・若紫〉
「夏草―つはものどもが夢の跡/芭蕉」〈奥の細道
[並助]名詞、名詞に準じる語に付く。事物を並列・列挙する意を表す。「赤青が混ざり合っている」「海山などに行く」「甘いの辛いのがある」
「羽音ガ台風―、雷(イカヅチ)ナドノヤウニ聞コエタレバ」〈天草本平家・二〉
[係助]名詞、活用語の連用形・連体形、副詞・助詞などに付く。なお、上代には活用語の已然形にも付く。
文中にあって、疑問・反語を表す。
㋐疑問を表す。…(だろう)か。…かしら。
「ももしきの大宮人は暇(いとま)あれ―梅をかざしてここに集(つど)へる」〈・一八八三〉
「男、異心(ことごころ)ありてかかるに―あらむと思ひ疑ひて」〈伊勢・二三〉
㋑反語を表す。…だろうか(いや、そうではない)。
「月―あらぬ春―昔の春ならぬわが身一つはもとの身にして」〈伊勢・四〉
文末用法。
㋐疑問を表す。…(だろう)か。…かしら。
「いかにぞ、からめたり―」〈古本説話集・下〉
㋑反語を表す。…だろうか(いや、そうではない)。→やは
「妹(いも)が袖別れて久(ひさ)になりぬれど一日(ひとひ)も妹を忘れて思へ―」〈・三六〇四〉
「かばかり守る所に、天の人にも負けむ―」〈竹取
[補説]は「ドアが開くやいなや、ホームに飛び降りた」のように「やいなや」の形で慣用的に用いられることが多い。1の場合、文末の活用語は連体形で結ばれる。「ぼろぼろ(=虚無僧)といふもの、昔はなかりけるにや」のように結びの言葉が省略されることもある。また、2を終助詞とする説もある。

や[接尾]

[接尾]人を表す名詞や人名などに付いて、親しみの意を添える。「ねえ」「坊」「爺」「きよ

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

大辞林 第三版の解説

五十音図ヤ行第一段の仮名。硬口蓋と前舌との間を狭めて発する半母音と後舌の広母音とから成る音節。
平仮名「や」は「也」の草体。片仮名「ヤ」は「也」の草体の楷書化。

( 感 )
驚いた時に発する語。 「 -、こんな所にあった」
挨拶あいさつや呼び掛けの語。男性が用いる。 「 -、しばらく」
力を入れたり拍子を取ったりする時に発する語。

( 助動 )
〔「やれ」の略。近世語〕
敬語の助動詞「やる」の命令形。 「はつも二階へ上つて寝。早う寝/浄瑠璃・曽根崎心中」 「さあ、これからは手前の手を尋常に見せ/洒落本・傾城買二筋道」 → やる(助動)

( 助動 ) ( やろ ・やつ ・や ・や ・○ ・○ )
断定の助動詞「じゃ」の変化した形。関西を中心とした西日本で用いられる。 「どないねん」 「そういうことやった」 「暑い日なあ」 → じゃ

( 副助 )
体言およびそれに準ずる語に付く。「…やもしれない」の形で、軽い疑いの意を表す。 「近いうちに大地震がある-も知れない」
( 並立助 )
体言および準体助詞「の」に付く。事物をあれこれ並べ挙げるのに用いる。「…や…や」「…や…や…など」「…や…」などの形で用いられる。 「あれ-これ-と大さわぎでした」 「山-海は人でいっぱいだ」 「君の-僕のが佳作に入ったよ」 「花-蝶-と書けばこそあらめ/源氏 夕霧
( 接助 )
動詞および助動詞「れる・られる」「せる・させる」の終止形に付く。
ある動作・作用が行われると同時に、他の動作・作用が行われる意を表す。…するとすぐに。 「交通事故発生の報に接する-、直ちに救助に向かった」
「…やいなや」の形で慣用的に用いられることが多い。 「テーブルにつく-いなや、すぐに食べはじめた」 「夏休みにはいる-いなや、海へ山へとどっと人がくり出した」
( 終助 )
文末にあって、形容詞および形容詞型活用の助動詞や助動詞「う・よう」の終止形、動詞および動詞型活用の助動詞の命令形に付く。
命令・勧誘・希望表現などに用いられ、話し手がその事態の実現を望むという気持ちを表す。 「まあ、しばらく様子をみろ-」 「早くしよう-」 「もう帰ろう-」 「日曜日ぐらい休みたい-」
軽く言い放つような気持ち、または、なげやりな気持ちを表す。 「まあ、いい-」 「今さらどうしようもない-」
( 間投助 )
文中にあって、体言・副詞などに付く。
人を表す語に付いて呼び掛けを表す。 「花子-、ちょっとここへおいで」 「おばあさん-、せがれから手紙が来たよ」
副詞に付いて意味を強める。 「またも-失敗に終わった」 「まして-、相手は専門家だから太刀打ちができない」
文中または文末にあって種々の語に付く。
感動・詠嘆を表す。現代語では文末用法のみ。 「わあ、遊んで暮らせるなんてすばらしい-」 「我はも-安見児得たり皆人の得かてにすといふ安見児得たり/万葉集 95」 「すべて神の社やしろこそ捨てがたくなまめかしきものなれ-/徒然 24
(文中に用いて)ことばの調子を整える。 「ほととぎす鳴く-さ月のあやめぐさあやめも知らぬ恋もするかな/古今 恋一
( 係助 )
種々の語に付く。
文中にあって係りとなり、文末の活用語を連体形で結ぶ。
疑問の意を表す。 「秋-来る露-まがふと思ふまで/伊勢 16
反語・反問の意を表す。…ではないか。 「秋の田の穂の上を照らす稲妻の光のまにも我-わするる/古今 恋一
文末にあって、活用語の終止形・已然形に付く。
疑問の意を表す。 「名にし負はばいざ事問はむ都鳥わが思ふ人はあり-なし-と/伊勢 9
反語の意を表す。 「大君は千歳にまさむ白雲も三船の山に絶ゆる日あらめ-/万葉集 243

( 係助 )
口頭語で、係助詞「は」がなまったもの。 「誰も来-しない(こ-しない)」 「霧で何も見え-しない」

( 接尾 )
〔上代語〕
状態を表す造語要素に付いて、そういう感じである意を表す。 「にこ-」 「なご-」

( 接尾 )
人を表す名詞や人名などに付けて、親しみを表す。 「坊-」 「ばあ-」

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


五十音図第8行第1段の仮名で、平仮名の「や」は「也」の草体からでき、片仮名の「ヤ」も「也」の草体を簡略化したものである。万葉仮名では「夜、移、也、野、耶、楊、椰(以上音仮名)、八、矢、屋(以上訓仮名)」などが使われた。ほかに草仮名としては「(也)」「(夜)」「(哉)」「(耶)」などがある。
 音韻的には/ja/で、舌面と歯茎硬口蓋(こうがい)とを狭めて発する摩擦音[j]を子音にもつ(母音の[i]と非常に近い音なので半母音ともいう)。平安時代の初めまでは、ア行のエ(衣)とヤ行のエ(江)とは区別されていた。[上野和昭]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

やの関連キーワード一・壱一・壱・壹逸・一・佚・溢・逸一再恭敬車乗小雑色一、二、三─死一色町一本木

やの関連情報