兄たり難く、弟たり難し(読み)けいたりがたく、ていたりがたし

故事成語を知る辞典 「兄たり難く、弟たり難し」の解説

兄たり難く、弟たり難し

二つのもののうち、どちらが優れているか、簡単には決められないこと。

[使用例] 牽強付会の説であるという点にかけては、いずれも兄たりがたく弟たりがたしといったような気がしてならないのだ[花田清輝*小説平家|1965~67]

[由来] 「世説新語徳行」に載せられたエピソードから。二世紀、後漢王朝の時代の中国でのこと。ちんげんぽうちんほうという兄弟の子ども同士が、どちらの父親が優れているか、言い争いをしました。決着が付かなかったので祖父に尋ねてみたところ、祖父は、「元方は兄たり難く、季方は弟たり難し(元方が兄だから単純に優れているとすることはむずかしいし、季方が弟だから単純に劣っているとすることもむずかしい)」と答えたのでした。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

ゲリラ豪雨

突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...

ゲリラ豪雨の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android