兄たり難く弟たり難し(読み)ケイタリガタクテイタリガタシ

デジタル大辞泉 「兄たり難く弟たり難し」の意味・読み・例文・類語

けいたりがたていたりがた

《「世説新語徳行から》両方ともすぐれていて、その優劣を決めにくい。

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精選版 日本国語大辞典 「兄たり難く弟たり難し」の意味・読み・例文・類語

けい【兄】 たり 難(がた)く弟(てい)たり難(がた)

  1. 二人のうちどちらを上とも下とも決めがたい。
    1. [初出の実例]「牽強付会の説であるという点にかけては、いずれも兄たりがたく弟たりがたしといったような気がして」(出典:小説平家(1965‐67)〈花田清輝〉一)
    2. [その他の文献]〔世説新語‐徳行〕

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故事成語を知る辞典 「兄たり難く弟たり難し」の解説

兄たり難く、弟たり難し

二つのもののうち、どちらが優れているか、簡単には決められないこと。

[使用例] 牽強付会の説であるという点にかけては、いずれも兄たりがたく弟たりがたしといったような気がしてならないのだ[花田清輝*小説平家|1965~67]

[由来] 「世説新語―徳行」に載せられたエピソードから。二世紀、後漢王朝の時代の中国でのこと。ちんげんぽうちんほうという兄弟の子ども同士が、どちらの父親が優れているか、言い争いをしました。決着が付かなかったので祖父に尋ねてみたところ、祖父は、「元方は兄たり難く、季方は弟たり難し(元方が兄だから単純に優れているとすることはむずかしいし、季方が弟だから単純に劣っているとすることもむずかしい)」と答えたのでした。

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