(読み)キョウ

デジタル大辞泉 「兇」の意味・読み・例文・類語

きょう【兇】[漢字項目]

[音]キョウ(漢)
人をきずつけること。また、悪者。「兇刃元兇
[補説]「」と通用する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「兇」の読み・字形・画数・意味


6画

[字音] キョウ
[字訓] わるもの・わるい・おそれる

[説文解字]

[字形] 会意
凶+儿(じん)。凶は枉死者などの胸に×形の文身を加えて、その邪霊を鎮める意。その下に人をつけ、胸の部分を強調した字で、光・見・(望)などと同じような造字法である。凶礼の文身を施したものを兇といい、引伸して兇悪・兇懼の意となる。〔説文〕七上に「擾(ぜうきょう)なり。人の凶下に在るに從ふ」とする。〔説文〕は凶を地交陥、穴におちこむ象とするが、凶・兇・匈・胸は一系の字で、胸に文身のある象である。

[訓義]
1. わるもの、わるい。枉死者など、強い呪霊をもつものをいう。
2. おそれる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕兇 豆比由(つひゆ) 〔名義抄〕兇 オソル 〔字鏡集〕兇 ヲツ・ヲソル・アシ

[声系]
〔説文〕に兇声の字として(そう)を収める。を〔説文〕五下に「足を斂(をさ)むるなり」とするが、は厶(し)((すき))を頭とする神像(しよく)は田神の神像であるから、は凶悪なる神霊の姿であろう。

[語系]
兇・凶・匈xiongは同声。凶は胸郭の呪飾、匈は側身形、兇はその全身形。(荒)xuangと声義近く凶荒、また惶huangと声義近く、凶惶の意がある。語彙は凶字条参照。

[熟語]
兇悪兇威・兇兇殴兇魁兇害兇悍兇頑・兇器・兇逆兇虐兇兇兇驕・兇・兇懼・兇・兇険兇残兇邪・兇手兇豎・兇人兇賊兇徒・兇兇悖兇変兇暴兇猛
[下接語]
姦兇・群兇・残兇・殄兇・平兇

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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