光瀬龍(読み)ミツセ リュウ

20世紀日本人名事典 「光瀬龍」の解説

光瀬 龍
ミツセ リュウ

昭和・平成期のSF作家



生年
昭和3(1928)年3月18日

没年
平成11(1999)年7月7日

出生地
東京

本名
飯塚 喜美雄

学歴〔年〕
東京教育大学理学部動物学科〔昭和28年〕卒

主な受賞名〔年〕
日本SF大賞(特別賞 第20回)〔平成11年〕

経歴
東京教育大動物学科卒後、同校哲学科に学ぶ。女子高校で11年間生物と地学を教えたあと、作家生活に入る。SF同人誌「宇宙塵」に参加。壮大なスケールのSF作家として知られ、また時代小説の分野でも異才を発揮。代表作に「ロン先生の虫眼鏡」「たそがれに還る」「百億の昼と千億の夜」「カナン5100年」「その花を見るな!」、「秘伝宮本武蔵」「明治残俠探偵帖」「平家物語」「喪われた都市の記録」「夕ばえ作戦」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「光瀬龍」の意味・わかりやすい解説

光瀬龍
みつせりゅう
(1928―1999)

SF作家。東京生まれ。東京教育大学理学部卒業後、高校勤務のかたわら宇宙テーマの短編を1961年(昭和36)から発表。雄大な構想の作品が多く、処女長編『たそがれに還(かえ)る』(1964)は膨大な時間の流れのなかに外宇宙に進出する人類を描く未来叙事詩で、代表作『百億の昼と千億の夜』(1976)はプラトンキリスト釈迦(しゃか)を通して宇宙の永劫(えいごう)回帰主題にした黙示録的SFである。ほかにタイム・トラベル・テーマの『征東都督府』(1975)など、多数の作品がある。また『ロン先生の虫眼鏡』(全10巻、1978~81)などの漫画の原作も手がけた。

厚木 淳]

『『百億の昼と千億の夜』(角川文庫・ハヤカワ文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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