光瀬龍(読み)みつせりゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「光瀬龍」の意味・わかりやすい解説

光瀬龍
みつせりゅう
(1928―1999)

SF作家。東京生まれ。東京教育大学理学部卒業後、高校勤務のかたわら宇宙テーマの短編を1961年(昭和36)から発表。雄大な構想の作品が多く、処女長編『たそがれに還(かえ)る』(1964)は膨大な時間の流れのなかに外宇宙に進出する人類を描く未来叙事詩で、代表作『百億の昼と千億の夜』(1976)はプラトンキリスト釈迦(しゃか)を通して宇宙の永劫(えいごう)回帰主題にした黙示録的SFである。ほかにタイム・トラベル・テーマの『征東都督府』(1975)など、多数の作品がある。また『ロン先生の虫眼鏡』(全10巻、1978~81)などの漫画の原作も手がけた。

厚木 淳]

『『百億の昼と千億の夜』(角川文庫・ハヤカワ文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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