宇宙塵(読み)ウチュウジン(英語表記)cosmic dust

翻訳|cosmic dust

デジタル大辞泉 「宇宙塵」の意味・読み・例文・類語

うちゅう‐じん〔ウチウヂン〕【宇宙×塵】

宇宙空間に存在する星間物質の一。大きさは10ミクロン以下。地球上にもそのまま落ちてくるが微細なため他のごみとの判別が困難。現在は宇宙船等でも採取する。スペースダストコスミックダスト

うちゅう‐ごみ〔ウチウ‐〕【宇宙×塵】

スペースデブリ

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精選版 日本国語大辞典 「宇宙塵」の意味・読み・例文・類語

うちゅう‐じんウチウヂン【宇宙塵】

  1. 〘 名詞 〙 銀河面に沿って分布する固体ちり状の微小な星間物質。恒星からの光を吸収し、散乱する。流星などの比較的大きい天体を含めていうこともある。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「宇宙塵」の意味・わかりやすい解説

宇宙塵 (うちゅうじん)
cosmic dust

宇宙塵という言葉はかなりいろいろな意味に用いられている。恒星間空間での散光星雲などに見られるような星間塵を指す場合もあり,また惑星間空間ですい星などからはき出され,地球に突入して流星となるような物質,また黄道光などとして見えるような微塵を指す場合もある。また19世紀以来,深海底に堆積している土の中から発見された直径数十μ程度の球状の塵が宇宙起源のものと考えられ宇宙塵と呼ばれた。

 近年,ロケットジェット機気球などを用いて大気圏外あるいは高層大気中から,さらに極地の氷雪や雨水の中などから宇宙起源の塵を検出する試みがいろいろ行われている。これらの微塵は大気中で隕石の表面から液滴となって飛び散るものも考えられるし,またもともと微小な塵は,大気に突入しても蒸発するに至らず地表面まで漂い落ちるとも考えられているが,現在では人工の微塵がおびただしく存在するので,宇宙起源のものを地上で検出することは容易でない。
隕石 →星間物質 →惑星間物質
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宇宙塵」の意味・わかりやすい解説

宇宙塵
うちゅうじん
cosmic dust

(1) 宇宙空間に散在する微粒物質。大きさは種々で,恒星間にあるものは低温度の巨星の大気,新星超新星の放出ガス中でつくられ,光の波長程度のものが多く色超過の原因となる。また宇宙塵の雲は暗黒星雲として観測される。太陽系内では,彗星の分解によって生成されるものや,流星として現れるものがある。大きなものは小惑星の末席に連なり,小さな微粒子は気体分子につながるとみられる。
(2) 隕石など地球上に落下する他の天体の微細な破片。陸上では土と混ざって見分けにくいが,深海底では陸地から運ばれる粘土などが少なく,堆積物にはかなりの量の宇宙塵が混ざっている。近年深海底の堆積物の年代と厚さから,その堆積する速さが 1000年に 1mm内外できわめて遅いことがわかった。また,地球上に落下する宇宙塵の量は数万年前から今日まであまり変化がなく,1日 1万t内外という説がある。

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百科事典マイペディア 「宇宙塵」の意味・わかりやすい解説

宇宙塵【うちゅうじん】

ふつうは,恒星空間に存在する固体の微粒子,すなわち星間塵のことをいうが,地球に突入して流星となったり,あるいは黄道光などとして見える微小な塵を指すこともある。→星間物質

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宇宙塵」の意味・わかりやすい解説

宇宙塵
うちゅうじん

星間物質

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世界大百科事典(旧版)内の宇宙塵の言及

【宇宙環境】より

…実際の人工衛星の飛行高度は,低いものでもその近地点高度は150km程度だが,熱圏を飛行する場合には,同様に大気による抗力を受け,また大気の流れの影響も受けるため,徐々にエネルギーを失っていき,最後には濃い大気に突入する。
[宇宙空間での人間活動と宇宙環境]
 宇宙空間での人間活動に関する環境を考えるとき,人間の永久居住は20年または30年後の研究課題であるから,太陽活動の変動までを考慮する必要は当分なく,現実的な問題となるのは紫外線,X線,宇宙線,宇宙塵,無重量状態などである。紫外線は生物の皮膚に紅斑を生じさせたり結膜炎を発生させる原因となり,有人宇宙船の飛行高度では人間の皮膚が太陽からの紫外線にさらされると,地上の10~50倍の速度で紅斑ができるといわれるが,宇宙船および宇宙服の窓材料を適当に選べば,紫外線を宇宙船内の人間まで通過させなくすることは容易である。…

※「宇宙塵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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