光陰極(読み)コウインキョク(英語表記)photocathode

化学辞典 第2版 「光陰極」の解説

光陰極
コウインキョク
photocathode

光電効果にもとづく電子放出源.光電陰極ともいう.通常電子管なかに封入されている場合が多い.光電面としてはアンチモン-セシウムCs3Sb,銀-マグネシウムAg5Mgなどがよく用いられている.たとえば,前者は350~650 nm,最高感度430 nm の範囲の光に感じる.光が通るガラスの部分を水晶にすれば200 nm までの光に感じる.最高感度のところで光量子1個に対し12% くらいの電子放出能率をもっている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「光陰極」の意味・わかりやすい解説

光陰極
ひかりいんきょく
photocathode

外部光電効果によって電子放出を行う陰極光電管光電子増倍管テレビジョン撮像管に使われている。実用的には入射光子1個あたり発生する光電子数 (量子効率) が多いことが要求される。代表的な光陰極として,セシウム-アンチモン光陰極があり,2000~5500Å の波長の光に対し,5~15%の量子効率がある。ほかに,最大量子効率が 25%近くあるマルチアルカリ (Sb-Na-K-Cs) 光陰極や 2000~8000Å の広い波長範囲で高効率なガリウムヒ素光陰極がある。

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