化学辞典 第2版 「光音響効果」の解説
光音響効果
ヒカリオンキョウコウカ
photoacoustic effect
光吸収によって励起された分子は,化学反応を起こさなければ,放射あるいは無放射遷移でもとの状態に戻る.無放射遷移によって生じるのは熱である.もし,光吸収を可聴周波数で変調させれば,反応系に熱による疎密波が生じ,音が発生する.これを光音響効果という.1880年代にA.G. Bellらによって見いだされた.近年になって,照射する光の波長をマイクロ波から紫外光まで変化させると,光音響スペクトルが得られることがわかり,無放射遷移の機構の研究に用いられるようになった.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報