コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

免疫寛容 メンエキカンヨウ

2件 の用語解説(免疫寛容の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

めんえき‐かんよう〔‐クワンヨウ〕【免疫寛容】

特定の抗原、例えば自己構成成分に対して、免疫反応を示さない状態。免疫トレランス

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

免疫寛容
めんえきかんよう

特定の抗原に対して特異的な免疫応答が起こらない無反応性の状態。免疫応答とは、外部から侵入してきた異物、あるいは生体内に生じた異物を抗原として認識し、その抗原に対して特異的に応答することで起こる反応をさすので、こうした反応の起こらない免疫寛容を免疫無応答性あるいは免疫不応答性と表現する。なお、外部から侵入してきた異物を外来性抗原とよび、これには細菌やウイルスなどの病原微生物、移植された組織、毒素や花粉をはじめとするアレルゲンなどが含まれる。また、生体内に生ずるものは生体内抗原とよばれ、これには腫瘍(しゅよう)細胞(癌(がん)細胞)や感染細胞のほかに、自己の細胞やタンパク質など体の組織成分である自己抗原も含まれる。
 自己抗原に対して免疫反応が起こらないかもしくは抑制される免疫寛容は、ヒトをはじめとする哺乳(ほにゅう)類が進化とともに獲得してきたしくみで、自己抗原に反応して攻撃しようとする自己反応性T細胞や、自己抗原に対して自己抗体をつくり出すB細胞を、成熟する過程で取り除く、もしくは不活性化して不応答状態にするという巧みなものである。この自己抗原に対する免疫寛容のしくみが細菌やウイルスなどの侵入によって崩れたために免疫応答が起こり、誤って自己抗原に反応し攻撃してしまう病気が自己免疫疾患である。また、口から取り込んだ食物(抗原)に対して過敏な免疫応答が起こらないのは、食物が体内の消化酵素によって分解されて不活性化し、不応答状態にされる(経口免疫寛容)からであるが、この免疫寛容のメカニズムが崩れ、通常は不応答な飲食物を異物として認識し攻撃してしまうのが食物アレルギーである。ほかに、外来性抗原や自己抗原を含む生体内抗原などすべての抗原に対して免疫応答の起こらない病気が免疫不全で、免疫寛容とは区別される。
 免疫寛容のメカニズムは臓器移植の拒絶反応抑制やアレルギーの治療などにも応用され、リウマチ治療では、自己反応性T細胞の働きを抑制する経口薬などが開発されている。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

免疫寛容の関連キーワードウラシル特異性自己免疫疾患特定物一般成分自己抗原食物特異体質不耐無機成分免疫アフィニティークロマトグラフィー

今日のキーワード

日本政策投資銀行

1999年に日本開発銀行と北海道東北開発公庫を統合し、発足した政府系総合政策金融機関。一般の金融機関が行なう金融などを補完・奨励し、長期資金の供給などを行ない、日本の経済社会政策に金融上で寄与していく...

続きを読む

コトバンク for iPhone

免疫寛容の関連情報