朝日日本歴史人物事典 「入江殿」の解説
入江殿
生年:応永4(1397)
室町時代の尼。覚窓性仙,聖仙とも。室町幕府3代将軍足利義満と藤原慶子の娘。4代将軍義持,6代将軍義教は同母兄。後光厳天皇皇女見子が崇光天皇の御所入江殿を賜ったが,それを寺に改める際に開基として迎えられたと伝えられる。寺号は三時知恩寺といい比丘尼御所(尼寺)のひとつで,入江殿とも称した。応永8(1401)年5歳で入室し,住持として入江殿と呼ばれた。19歳で死去。永享5(1433)年11月,入江殿相続のために生後4カ月足らずで入室した義教の娘・了山聖智(永享5.閏7.23~大永6.6.11)も入江殿と呼ばれた。室町時代には天皇家の後宮が縮小し,足利将軍の娘や皇女にとって,比丘尼御所に入り一族の菩提を弔うことが主たる生き方となる。<参考文献>『三時知恩寺文書』
(大石雅章)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報