皇室や摂家から入寺した尼僧が代々住持となる尼寺。江戸時代には一種の寺格となった。寺名のほか御所名があり,宗派は諸宗にわたる。御宮室と御禅室の区別があり,前者は皇女や王女が天皇の猶子となって入寺する尼寺で,大聖寺(御寺(おてら)御所),宝鏡寺(百々(どど)御所),曇華(どんげ)院(竹御所),光照院(常盤(ときわ)御所),霊鑑寺(谷(たに)御所),円照寺(山村御所),林丘(りんきゆう)寺(音羽御所),中宮寺(斑鳩(いかるが)御所)がある。御禅室は公家出身の尼僧が入寺し,慈受院(烏丸(からすま)御所),三時知恩寺(入江御所),法華寺(氷室(ひむろ)御所),瑞竜寺(村雲御所)などが著名。明治以後,皇女・王女の入寺はやみ,華族の子女などが代わり,比丘尼御所の寺格も廃止された。
執筆者:藤井 学
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…鎌倉においても太平,東慶,国思,護宝(法),禅明の5寺が五山といわれた。なお,皇族などの息女が住持,相承する寺を比丘尼御所または尼門跡とよぶ。【堀池 春峰】。…
※「比丘尼御所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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