朝日日本歴史人物事典 「入江若水」の解説
入江若水
生年:寛文11.1.20(1671.3.1)
江戸前・中期の漢詩人。名は兼通,字は子徹,号は若水,櫟谷山人,江山人。摂津富田(大阪府)の造り酒屋亀屋の息子として生まれ,家業を継いだ。伏見の鳥山芝軒について詩を学んだほか,京都の伊藤東涯に入門,また江戸の荻生徂徠とも親交があり,もっとも詩を能くした。磊落で侠気に富む性格の故か,家業にはあまり熱心でなく,40歳代半ばの享保初年(1716年ごろ),破産して京都に居を移し,嵯峨に隠棲した。盛唐の詩風が流行する時代に,晩唐や宋詩の風を彷彿とさせる抒情的な詩を詠んだ。詩集に『西山樵唱集』(1734)がある。<参考文献>日野竜夫「入江若水伝資料」(『近世大阪芸文叢談』)
(揖斐高)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報