全翼機(読み)ゼンヨクキ(その他表記)flying wing

翻訳|flying wing

デジタル大辞泉 「全翼機」の意味・読み・例文・類語

ぜんよく‐き【全翼機】

主翼垂直尾翼だけからなる飛行機。搭乗員室・客室・貨物室などを翼内に収め、原理的には効率がよい。

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精選版 日本国語大辞典 「全翼機」の意味・読み・例文・類語

ぜんよく‐き【全翼機】

  1. 〘 名詞 〙 飛行機の一種水平尾翼がなく、主翼と垂直尾翼のみで構成されており、搭乗員室などは主翼内に作られているもの。無尾翼機ともいう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「全翼機」の意味・わかりやすい解説

全翼機
ぜんよくき
flying wing

無尾翼機 tailless airplaneともいう。抵抗を増す尾翼や胴体がないことから理論的には理想的な飛行形状といえるが,その一方で不安定性の克服という問題が伴う (→安定性 ) 。全翼機の長所早くから注目され,ドイツの Go-229ジェット戦闘機 (1945) やアメリカ合衆国ノースロップ XB-35爆撃機 (1946) ,同 YB-49爆撃機 (1947) などの実験機がつくられたものの,当時の技術では全翼機の性能を十分に発揮するまでにはいたらなかった。しかし現在ではコンピュータを組み込んだ自動操縦技術を使うことによって全翼機の難点も克服され,レーダにつかまりにくいステルス性もあって,アメリカ空軍のB-2ステルス爆撃機にみられるような全翼機が実現している。

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世界大百科事典(旧版)内の全翼機の言及

【翼】より

…ただし無尾翼機は重心と空力中心がずれていても縦のつりあいがとれるように主翼の形にくふうが必要で,後退翼としその翼端をねじり下げるか,三角翼としその後縁の舵面を上げて,前のめりになるのを防いだ例が多い。無尾翼機の翼内に乗員などを収容し胴体を省略した航空機を全翼機と呼ぶ。前翼機や無尾翼機でも,空力的な方向安定をもつには,垂直尾翼を後部に取りつける必要がある。…

※「全翼機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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