アメリカの生化学者。ニューヨーク州ヨンカーズに生まれる。コロンビア大学で学んだあと、ロックフェラー医学研究所において、1962年に名誉教授として退職するまで研究を続けた。1930年にタンパク分解酵素ペプシンを精製して純粋な結晶にすることに成功、以後トリプシン、キモトリプシンなど一連の酵素を結晶化した。またウイルスの純化、ジフテリア抗毒素の結晶化も行っている。クニッツなどとの共著『結晶化酵素』Crystalline Enzymesを1939年に出版した。1946年、酵素とウイルスタンパクの純粋調製の業績により、W・M・スタンリーとともにノーベル化学賞を受賞(酵素が結晶化されることを発見したJ・B・サムナーとの同時受賞)。
[宇佐美正一郎]
アメリカの生化学者.1915年コロンビア大学で化学の学位を取得し,ロックフェラー研究所のJ. Loebの研究室に入った.第二次世界大戦中は化学兵器研究に動員され,終戦後ロックフェラー研究所に戻った(~1961年).1949~1958年カリフォルニア大学バークレー校客員教授となる.1930年に胃液のタンパク質消化酵素,ペプシンの結晶化に成功した.さらにM. Kunitzとともに,トリプシン,トリプシノーゲン,キモトリプシン,キモトリプシノーゲンなど,タンパク質分解酵素を次々と結晶化した.これらの業績で,1946年J.B. Sumner(サムナー),W.M. Stanley(スタンリー)とともにノーベル化学賞を受賞.そのほか,ウイルスの純化,昆虫に対する温度の影響,発酵,細菌の凝集反応など多くの研究がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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