六価クロム(読み)ろっかクロム(英語表記)hexavalent chromium

精選版 日本国語大辞典 「六価クロム」の意味・読み・例文・類語

ろっか‐クロム ロクカ‥【六価クロム】

〘名〙 (クロムはChrom chrom) 原子価が六価のクロム。クロム酸塩重クロム酸塩などに見られる。きわめて強い酸化力があるが、硫酸第一鉄などの還元剤で還元すれば酸化力はなくなる。

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デジタル大辞泉 「六価クロム」の意味・読み・例文・類語

ろっか‐クロム〔ロクカ‐〕【六価クロム】

酸化数6のクロム化合物通称クロム酸カリウムなど。酸化剤などとして広く用いられるが、触れると皮膚鼻中潰瘍かいようを生じ、体内に蓄積すると肝臓障害肺癌はいがんなどを引き起こす。

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知恵蔵mini 「六価クロム」の解説

六価クロム

クロム(原子番号24の元素)化合物の形態総称。おもな六価クロム化合物としてクロム酸、重クロム酸カリ、ニクロム酸カリウムなどがある。強力な酸化剤として働き、電気メッキ、酸化剤、金属洗浄黄色顔料などに広く使用されている。非常に強い毒性をもち、環境基準値は0.05ミリグラム/リットル以下。皮膚などに付着すると皮膚炎や腫瘍を起こし、長期間体内に取り入れると、肝臓障害・貧血肺がん大腸がん胃がんなどの原因となりうる。化学工場跡地など六価クロムに汚染されている場所は日本全国にあり、2012年に東京都の都立公園周辺で基準の220倍の六価クロムが検出されるなど、たびたび問題になっている。

(2012-11-20)

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