ゴラン高原(読み)ゴランこうげん(英語表記)Golan Heights

翻訳|Golan Heights

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴラン高原」の意味・わかりやすい解説

ゴラン高原
ゴランこうげん
Golan Hights

アラビア語でジャウラン Jawlān。シリア南西端の丘陵地帯で,西方にヨルダン渓谷上流地帯を見通す位置にある。大部分はシリアのクナイトラ県に含まれるが,一部はダルア県にまたがっている。 1967年6月の六日戦争以後,イスラエルの占領地帯となり,その統治下にある。地理的には,西はヨルダン川とガリラヤ湖,北はヘルモン山,東はヤルムーク川の支流アルルカド涸れ川 (ワディ) ,南はヤルムーク川で画され,行政的には 1150km2となっている。聖書に書かれたゴランの町の位置は不明であるが,現在のゴランの西側のハウラーン地方であろうとされている。 1970年代にイスラエルは占領地に新しい入植地を建設し,81年に一方的な併合を宣言したが,シリア,国連はそれを認めず,シリアとの間で返還交渉が続けられている。アラブ人はほとんど退去し,住民の大部分がドゥルーズである。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴラン高原」の意味・わかりやすい解説

ゴラン高原
ごらんこうげん
Golan Heights

シリア南西部の高原。アンティ・レバノン山脈の南の延長部に位置し、標高1000メートル前後、西はヨルダン地溝帯、南はヨルダン川支流のヤルムーク川でくぎられる。山地の西斜面にあるため比較的湿潤で、小麦などの農業が発達し、居住密度も高い。1948~49年の第一次中東戦争以後、シリアのイスラエルに対する防衛要塞(ようさい)となったが、67年の第三次中東戦争以後イスラエルに占領されている。

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