共同政府綱領(読み)きょうどうせいふこうりょう(その他表記)Programme commun de gouvernement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「共同政府綱領」の意味・わかりやすい解説

共同政府綱領
きょうどうせいふこうりょう
Programme commun de gouvernement

1972年6月 27日フランスで成立した左翼連合 Union de gauche (社会,共産,急進左派,統一社会の各党) の共同政府綱領。 73年3月の総選挙を前に社会党第一書記 F.ミッテラン共産党書記長 G.マルシェ締結。内容は (1) 人間生活 (物価賃金,住宅,社会保障,都市問題など) の改善,(2) 重要産業,金融機関の国有化,(3) 地下資源,兵器,宇宙航空機,原子力,エレクトロニクス,化学の各産業の国有化,(4) 大統領権限の縮小,など。これによって左翼連合は 73年の総選挙で議席を 84から 176に伸ばしたが過半数 (244) には及ばなかった。従来アメリカ寄りであった社会党とソ連寄りであった共産党が,1970年代に入ってアメリカとソ連の協調,ヨーロッパの緊張緩和によって歩み寄りをみせ,それを背景に左翼共同政権の実現を目指したものであったが,連合内部での社会党の強化をおそれた共産党は,親ソ政策に転じ,社会党批判を繰返した。 82年の大統領選挙ではミッテランが約 100万票の差で当選念願の左翼共同政権を実現したが,マルシェは 36年以来最低の 15%台の票しかとれなかった。

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