改訂新版 世界大百科事典 「共同配送」の意味・わかりやすい解説
共同配送 (きょうどうはいそう)
荷主や輸送業者が互いに共同しながら集貨や配達をすることを共同配送という。異なった荷主が共同して特定の輸送業者を利用する共同配送(荷主共同配送)と複数の輸送業者が互いに利用しあう共同配送(輸送業者間共同配送)の2種類に分けられる。少量の貨物をばらばらに配送すれば,輸送費がかさんで配送効率が低下するばかりでなく,道路交通の混雑が増大する。そのため,荷主や輸送業者にとって輸送効率を上げる一方,道路交通の混雑を避けるため,共同配送の必要性が提唱されるようになった。特に大都市における面的輸送の効率化を目的とするものである。たとえばデパートから一軒一軒の家庭に配達されるデパート配送において,複数のデパートの宅配貨物を共同して配送することによって配送回数を節約することができる。同様なことは過疎地における郵便小包と宅配貨物の場合も不可能ではない。
執筆者:岡田 清
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報