内部環境(読み)ないぶかんきょう(その他表記)milieu intérieur; internal environment

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「内部環境」の意味・わかりやすい解説

内部環境
ないぶかんきょう
milieu intérieur; internal environment

動物体内の体液を,それが安定的に維持されているという含みをこめて,内部環境という。体外を囲む本来の環境に対して,体内ではあるが,体を構成する器官細胞にとっては体液が直接にそれらを囲む環境となっていることから,フランスの生理学者 C.ベルナールがこの考えと用語を用いた (1865) 。英語などでも milieu intérieurというフランス語がそのまま使われることが多い。内部環境の安定性という見方は,やがてアメリカの W. B.キャノンのホメオスタシス概念 (1932) へと発展した。

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栄養・生化学辞典 「内部環境」の解説

内部環境

 生体にとっての外部の環境に対して血液組織液など,細胞を取り巻く内部の環境.

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世界大百科事典(旧版)内の内部環境の言及

【環境】より

…さらには,生物主体が〈適応〉過程を通じて環境の中で最適な条件を選ぶという能動性を強調する立場も登場している。 クロード・ベルナールは外界の環境が激しく変化しても生物が生きていけるのはその〈内部環境milieu interieur〉(この場合の主体は細胞や組織)を一定に保つ能力があるためであるということを指摘し,この能力をホメオスタシスと呼んだ。今日この概念は外部環境にも逆輸入され,生態系のホメオスタシスといった使い方もされるようになっている。…

【体液】より

…その総量はヒトでは体重の約60%を占める。 生体の体細胞は,皮膚に包まれた〈体内の海〉(C.ベルナールはこれを内部環境と表現した)ともいうべき細胞外液中に浸っている。細胞は細胞外液から酸素および栄養素を取り入れ,代謝老廃物をそこへ出す。…

※「内部環境」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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