日本大百科全書(ニッポニカ) 「内陸流域」の意味・わかりやすい解説
内陸流域
ないりくりゅういき
大陸内部に位置しており、外洋への流出口をもたない川の流域。内部流域ともいう。大規模な内陸流域は降水量の少ない乾燥地域にみられる。内陸流域は地表流をまったく欠く無河流流域と、恒常河川あるいは間欠河川のある内部河流流域に分けられ、前者はフランスの地理学者マルトンヌの提唱した乾燥指数5以下の地域、後者は乾燥指数10以下の地域とほぼ一致する。日本でも、火口湖やカルデラ湖のなかには、流入河川をもつが流出河川をもたないものがあり、内陸流域となるが、小規模で流域面積も小さい。氷堆石(ひょうたいせき)中に生じるケトル湖、カルスト地域などにも小規模な内陸流域を生じることがある。
[髙山茂美]