円上寺潟跡(読み)えんじようじがたあと

日本歴史地名大系 「円上寺潟跡」の解説

円上寺潟跡
えんじようじがたあと

[現在地名]寺泊町円上寺

円上寺集落の東に広がる水田地帯にあった潟湖。円浄寺えんじようじ潟・円蔵寺えんぞうじ潟とも記した(越後野志)大河津おおこうづ分水完成以前は、島崎しまざき川が現西蒲原にしかんばら分水ぶんすいまきはな地内で西にし川と合流していた。現寺泊町地内に入ってからの島崎川は、ほとんど高低の差がなくなるうえに、西川が信濃川本流と合流していたため、逆流することも多かった。そのため現和島わしま村北部と寺泊町の内陸部、すなわち三島みしま丘陵と西山丘陵の間に開けた島崎川沖積地は、大河津分水完成以前は水害に悩まされ続けた。なかでも円上寺潟一帯は湛水地帯であった。「越後野志」によると潟には「菰蓮多シ、又菱実蓴菜・萍・蓬・睡蓮・浮薔ノ類アリ、ふなはえ白魚みごひ其余諸魚」が多くとれ、ヨツデアミ・サデなどを使って生業とする人も多かったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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