デジタル大辞泉 「凍み氷る」の意味・読み・例文・類語 しみ‐こお・る〔‐こほる〕【▽凍み▽氷る】 [動ラ四]1 かたくこおる。こおりつく。「雪いたう積もりて―・りたる呉竹の枝に」〈狭衣・二〉2 こおりついたように感情が働かなくなる。気がひどくめいる。「身もきるるやうに、心も―・りて」〈宇治拾遺・八〉3 中世芸能の理念で、心を深く思い澄ましてしみじみした感じの極致を得ることをいう。「―・りて、静かに美しく出で来たるままに能をすれば」〈花鏡〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「凍み氷る」の意味・読み・例文・類語 しみ‐こお・る‥こほる【凍氷】 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙① かたくこおる。こおりつく。結氷する。[初出の実例]「しみこほる木の根を床とならしつつ行ふ人ぞ仏ともなる」(出典:曾丹集(11C初か))② 深い悲しみや恐怖などのはげしい感情によって、身や心がこおりついたようになる。[初出の実例]「ありし夢のなごりのさむる夜なきにこそはと、ききわたさるるさへ、身もしみこほり、あはれにかなしきにもつつみあへず」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)一)③ 中世の美の観念で、深く心を澄ませて、その極致に到達することをいう。[初出の実例]「しみこほりて、静かに美しく出で来たるままに能をすれば」(出典:花鏡(1424)比判之事) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例