凍み氷る(読み)シミコオル

デジタル大辞泉 「凍み氷る」の意味・読み・例文・類語

しみ‐こお・る〔‐こほる〕【凍み氷る】

[動ラ四]
かたくこおる。こおりつく。
「雪いたう積もりて―・りたる呉竹の枝に」〈狭衣・二〉
こおりついたように感情が働かなくなる。気がひどくめいる。
「身もきるるやうに、心も―・りて」〈宇治拾遺・八〉
中世芸能の理念で、心を深く思い澄ましてしみじみした感じ極致を得ることをいう。
「―・りて、静かに美しく出で来たるままに能をすれば」〈花鏡

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精選版 日本国語大辞典 「凍み氷る」の意味・読み・例文・類語

しみ‐こお・る‥こほる【凍氷】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. かたくこおる。こおりつく。結氷する。
    1. [初出の実例]「しみこほる木の根を床とならしつつ行ふ人ぞ仏ともなる」(出典:曾丹集(11C初か))
  3. 深い悲しみや恐怖などのはげしい感情によって、身や心がこおりついたようになる。
    1. [初出の実例]「ありし夢のなごりのさむる夜なきにこそはと、ききわたさるるさへ、身もしみこほり、あはれにかなしきにもつつみあへず」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)一)
  4. 中世の美の観念で、深く心を澄ませて、その極致に到達することをいう。
    1. [初出の実例]「しみこほりて、静かに美しく出で来たるままに能をすれば」(出典:花鏡(1424)比判之事)

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