でいり‐し【出入師】
- 〘 名詞 〙
- ① 江戸時代、裁判所への代書・訴訟の補助または代理、その他証文買いなどを業としたもの。公事師(くじし)。その多くは、公事宿の主人、手代が兼職したが、訴訟人の不慣れにつけこみ、不当な礼金などをむさぼり評判が悪かった。
- [初出の実例]「出入しはだいてはいらうなどと言い」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和三(1766)智二)
- ② 遊里で、遊女の情人になるなどして、とかく事をおこす男。
- [初出の実例]「『おいらがやうなむづかしい客が付たのか』〈うぬが方からりっぱな出入しのきどりなり〉」(出典:洒落本・山下珍作(1782)任風貌者)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の出入師の言及
【公事師】より
…江戸時代,出入師・公事買などとも呼ばれた非合法の訴訟代理業者。訴訟当事者の依頼を受けて訴訟技術を教示し,書面の代書を行い,[内済](ないさい)(和解)の斡旋をするほか,当事者の親族・奉公人あるいは町村役人などを偽称して出廷し,訴訟行為の代理ないし補佐を行って礼金を得,また古い借金証文や売掛帳面などを買い取り,相手方が訴訟による失費や手間をいとい内済すると見通して出訴するなど,裁判・訴訟に関する知識や技術を利用したさまざまな行為を稼業とした。…
※「出入師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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