切目山(読み)きりめやま

精選版 日本国語大辞典 「切目山」の意味・読み・例文・類語

きりめ‐やま【切目山】

  1. 和歌山県日高郡印南(いなみ)町にある山。切目川のほとりに王子社があり、これと対する切目崎は熊野街道難所として知られた。きりべやま。殺目山。
    1. [初出の実例]「殺目山行かふ道の朝霞ほのかにだにや妹に逢はざらむ」(出典:万葉集(8C後)一二・三〇三七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「切目山」の解説

切目山
きりめやま

[現在地名]印南町島田
<資料は省略されています>

と「万葉集」巻一二にみえ、印南町の南端にある狼のろし(一五七・八メートル)辺りと考えられている。現熊野街道(国道四二号)は切目川を渡って狼烟山麓の海岸線を通るが、古くは切目川を渡って狼烟山の北峰続きの榎木えのき峠を通っていた。この榎木峠の北西麓に熊野九十九王子の一つ切目中山きりめなかやま王子(現王子神社)があり、同じく切目王子(現切目神社)はそれより北西、切目川北岸の西にしにあった。平安時代後期からの熊野信仰の隆盛により、切目王子とともに多くの歌に詠まれてきた。正治二年(一二〇〇)後鳥羽院の熊野詣扈従した源通親に

<資料は省略されています>

の歌があり、切目王子の和歌会での詠草として熊野懐紙が残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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