切継ぎ(読み)キリツギ

デジタル大辞泉 「切継ぎ」の意味・読み・例文・類語

きり‐つぎ【切(り)継ぎ/切(り)接ぎ】

[名](スル)
物を切ってつぎ合わせること。「フィルムを―する」
接ぎ木の一。台木の皮と木質部との境目を縦にそぎ、そこに下方を斜めに削った接ぎ穂を差し込んで密着させる方法。
勅撰集などで、撰歌後、部分的に加除訂正をするため稿本を切りついだこと。
裏打ちした書画表具地を適当な形に切り、つぎ合わせて掛け物にすること。

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精選版 日本国語大辞典 「切継ぎ」の意味・読み・例文・類語

きり‐つぎ【切継・切接】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 切り取った物と物とを継ぎ合わせること。また、その物。特に、歌舞伎で、所々裂(きれ)地をはぎ合わせて作った衣装。貧者などのみすぼらしい服装を表現するものとして用いる。
    1. [初出の実例]「女房持・切継下着着る藪医」(出典:雑俳・名付親(1814))
  3. 勅撰和歌集などで、撰歌後部分的に取捨、訂正を行なうため、削除したり増補したりすること。「新古今集」は後鳥羽院の手によって数回にわたり行なわれた。
  4. 接木(つぎき)の一つ。台木を切り、その皮部と木部との境目形成層の部分を縦に切りこみを入れ、その間につぎ穂をさし込み、接穂の形成層と台木の形成層と密着させ、ひもや藁(わら)でしばって活着させるもの。果樹類などに用いられる。
    1. [初出の実例]「笘ふく庵にあちなつき山〈均朋〉 なかれ来る木に剪継の竹か島〈西鶴〉」(出典:俳諧・大坂檀林桜千句(1678)四)
  5. 裏打ちした書画や表具を、適当な形に切って掛物の形にすること。

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