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接木のさいに,接木植物の地下部となる部分をいう。台木に接着させる部分は接穂または穂木といい,台木と接穂は相互に影響を及ぼし合う。栽培的に重要なのは,台木の種類によって地上部の大きさ,結実までの期間,種々の不良環境に対する適応性が異なることである。また,根に寄生する病虫害に対して抵抗性をもつ台木(免疫性台木)に接木すれば,それらの被害を回避することができる。リンゴ栽培では,近年樹高を低くして果実を収穫しやすくするために,枝の伸長を抑え,地上部を小型化する台木(矮性(わいせい)台)を利用することが多くなっている。また,ブドウは挿木で繁殖させることもできるが,根に寄生するフィロキセラという害虫の被害を回避するために,フィロキセラ抵抗性台木に接木をするのが普通である。
一般に,台木と接穂が近縁なほど接木植物は順調に生育し,正常に開花,結実を続けることができるので,接穂と同じ種の台木(共台)を用いることもあるが,同属異種の台木を用いることが多い。異科間の接木では組織の癒合が起こらず,また同科異属間の接木でも組織が癒合しないか,癒合してもやがて樹勢が衰えて枯死してしまうことが多い。しかしながら,ウンシュウミカンとカラタチ,セイヨウナシとマルメロの組合せのように同科異属の台木を用いても強固な結合を示す場合がある。台木は多少の遺伝的変異があっても,その変異の影響が接穂に現れることは少ないので,実生繁殖することが多い。
→接木
執筆者:杉山 信男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…植物体の一部分(枝,芽,根)を他の個体に接着させ,両者を癒合させる技術。接木植物の台となる部分を台木といい,台木に接着させる部分を接穂または穂木という。接木によって,母植物と同一の形質をもつ個体を比較的容易に多数増殖できる。…
※「台木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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