精選版 日本国語大辞典 「掛け物」の意味・読み・例文・類語
かけ‐もの【掛物・懸物】
- 〘 名詞 〙
- ① 物をかけておく具や台。
- ② 書画を軸物に表装し、床の間や壁などにかけて飾りとし、または鑑賞するもの。書を掛字、絵を掛絵という。また、書画ともに掛字ということもある。掛軸。掛地(かけじ)。掛図。
- [初出の実例]「北壁下建二一双之屏風一、而搆二色々懸物一」(出典:喫茶往来(1350頃))
- 「御身は軍書など講ずるなれば相応の懸物を与ふべしとて」(出典:随筆・耳嚢(1784‐1814)五)
- ③ 砂糖掛け菓子の総称。砂糖をひいて作った干菓子(ひがし)。木の実、豆の類などに糖衣をかけたもの。氷掛(こおりがけ)、火掛(ひがけ)の類。掛物菓子。
- ④ 寝るときに体の上にかけるもの。かけぶとん。
- [初出の実例]「去年までは、シャツ一(いち)で掛物なくても寝られたけど」(出典:地を潤すもの(1976)〈曾野綾子〉一)