かけ‐もの【掛物・懸物】
- 〘 名詞 〙
- ① 物をかけておく具や台。
- [初出の実例]「其の鍾の台(カケモノ)は中庭(おほは)に起(た)てよ」(出典:日本書紀(720)大化三年是歳(北野本訓))
- ② 書画を軸物に表装し、床の間や壁などにかけて飾りとし、または鑑賞するもの。書を掛字、絵を掛絵という。また、書画ともに掛字ということもある。掛軸。掛地(かけじ)。掛図。
- [初出の実例]「北壁下建二一双之屏風一、而搆二色々懸物一」(出典:喫茶往来(1350頃))
- 「御身は軍書など講ずるなれば相応の懸物を与ふべしとて」(出典:随筆・耳嚢(1784‐1814)五)
- ③ 砂糖掛け菓子の総称。砂糖をひいて作った干菓子(ひがし)。木の実、豆の類などに糖衣をかけたもの。氷掛(こおりがけ)、火掛(ひがけ)の類。掛物菓子。
- ④ 寝るときに体の上にかけるもの。かけぶとん。
- [初出の実例]「去年までは、シャツ一(いち)で掛物なくても寝られたけど」(出典:地を潤すもの(1976)〈曾野綾子〉一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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掛け物
かけもの
干菓子(ひがし)の製造に用いることば。掛け物には、氷(こおり)掛け(ひがけともいう)と火掛けの2通りの方法がある。氷掛けの仕法は氷砂糖を水で煮つめ、別に平銅鍋(なべ)を用意して下火を置く。鍋に種物(たねもの)を入れ、溶かした砂糖汁を種物にさじで垂らし掛け、ある程度乾いたらふたたび垂らし掛ける。この作業を繰り返して幾重にも衣をかぶせる。火掛けの場合は種物を砂糖汁に浸し、焙炉(ほいろ)で乾燥させる。現在は種物を核として、これを回転釜(がま)に入れ、熱を加えながら少量の糖蜜(とうみつ)を掛けて糖衣をかぶせ、乾燥したらふたたび糖蜜を掛ける方法で、数層の衣を掛けることも容易となった。掛け物のなかではケシの実を核とした南蛮菓子の金平糖(こんぺいとう)が古く、ついで石衣や砂糖豆などがつくられた。核をゼリーとすればゼリービーンズとなり、また砂糖の結晶粒子を核として糖蜜に香料や色素を加え、乾燥のつど色合いの異なる糖蜜を掛けていけば、チャイナマーブルができる。
[沢 史生]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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